ドイツは硬水と言われていますが、軟水生活をしていた私たち日本人にとって、どの程度活用できるのか、そして口に合うのかを調べてみました。
そして、実際に味も含めて飲めるのかを検証してみました。
ドイツに来た時の参考にして見てください。
結論からいうと、全然問題なく飲めます。
ドイツの水質
日本の生活で使われている水は、8割が軟水と言われています。日本で生活をしていたら、軟水や硬水などあまり気にしないと思います。
水の硬度は、水に含まれているカルシウムとマグネシウムの量によって決められています。
WHOの硬度基準は以下の通りです。
中硬水:61-120mg/L
硬水:121-180mg/L
超硬水:181gm/L以上
日本の硬度は、Kurita株式会社のデータより、関東と九州は中軟水が多く、それ以外の地域は軟水が多いようです。つまり、日本は軟水~中軟水です
そして、ドイツのサイトの「水硬度ディレクトリ」によると、ベルリンは、平均17°dHと記載されています。これを上記の基準に合わせると、平均302mg/Lです。つまり、ベルリンの水は、超硬水ということになります。
ドイツの水は水道水ほとんどが地下水と湧き水と言われています。つまり、時間を掛けてミネラル成分が水に溶けだした水が使われているから、硬水以上になるのです。
ちなみに、日本は地層が狭く、河川も短いためミネラル成分が少ないため、軟水となるのです。
水質はどうかと考えると、ドイツの水は非常に厳しい基準をクリアしていると言われています。その度合は、なんとミネラルウォーターの基準以上だそうです。また、塩素による殺菌も法律で禁止されているため、非常に安心できる水質だと言えます。
硬水とカルキ
カルキとは、塩素がアンモニアや有機物などと反応してできる塩化石炭(次亜塩素酸カルシウム)のことです。
日本でもカルキ臭いとミネラルウォーターを飲んでいる人も非常に多いと思いますが、私もその一人です。ミネラルウォーターを飲み始めると、なかかな水道水が飲めなくなってしまうこともありました。
では、ドイツは硬水だし、カルキが非常に多いと言われることもありますが、ドイツのカルキ基準は日本よりも非常に少ないのです。なぜなら塩素も使っていませんから。
では、なぜドイツはカルキが多いと言われるのでしょうか?
確かに、日本の水と比べて、シンクが白くなったり、石鹸・洗剤の泡立ちが悪くなったり、また調理器具のカルキ処置が必要になったりします。
これは、沢山含まれているカルシウムが原因で起こっているのです。ベルリンは超硬水ですからね。
つまり、カルキが多いのではなく、ミネラルのカルシウムが多いために、石灰化易いということなのです。
硬水と健康
ドイツニュースダイジェストより
・胆石・腎結石が増えるという疫学的報告はない
硬水にはカルシウムが多く含まれているということは、結石症になりやすいと考えてしまう方も多いのではないでしょうか?
結論からいうと、硬水摂取と結石症との因果関係は疫学的調査も含めて、報告されていません。賛否両論ありますが、カルシウム摂取が問題ではなくて、カルシウム不足が問題とされているからです。
大まかに説明すると、カルシウム不足になると骨からカルシウム不足を改善しようと溶けだして、血中濃度を保とうとします。その時に余分にでてしまうことが結石形成に関係すると言われているのです。ここにはホルモンの問題などもあるため簡単な説明はできませんが、カルシウム摂取、つまり硬水を飲むことによる結石症は問題ではないのです。
ちなみに、結石症の最大の予防は飲水量です。2L/日が推奨されるように、しっかり水分をとり、尿を出すことが大切だということです。
・動脈硬化を促進して、狭心症や心筋梗塞などを起こすリスクが上がる報告はない。
次に、動脈硬化や心筋梗塞への影響についてですが、これも硬水摂取によるリスクがあがるという報告もされていません。
たしかに、血中カルシウムが動脈硬化を促進することはありますが、カルシウムが体内に取り込まれるのは、せいぜい4-300mg/日程度です。しかし、骨に含まれているカルシウムは約1kgであるため、そこからカルシウム不足で溶けだす量は、飲水をして摂取する比ではないのです。
医学業界では、カルシウム不足は血中カルシウムが過剰になるという「カルシウムパラドックス説」として有名な話です。
つまり、硬水を飲んでる方が、狭心症や心筋梗塞などになりにくいと言われており、むしろリスクが減らせる可能性があるとも言われているのです。
・下痢を起こすことがある / 便秘解消になることがある。
カルシウムは腸の動きを活発にします。そして、マグネシウムは水と結合するため、大便を柔らかくする作用があるのです。つまり、排便力が高まるので、人によっては下痢になりやすく、また反対に便秘解消となる方もいるのです。
ちなみに、腸の動きが良いと、免疫機能も活発すると言われているので、硬水は健康に良いと言っても過言でもありません。
硬水と料理
日本料理を考えると、軟水が適しています。軟水の土地で根付いたで料理だから、当たり前と言えば当たり前です。そう考えると、西洋料理は硬水が適していると考えられます。
米を焚く
軟水:ふっくらしたお米
硬水:ぱさぱさしたお米
これから考えると、日本特有の米の味を楽しむのは、軟水の方が適しています。旨味、甘味を存分に楽しめます。
そして、硬水で焚いたお米はパサパサすることを考えると、パエリエやピラフ、そして炒飯に適しています。そして、カレーのライスにも合うと思います。
余談・・・
パスタは、硬水が適しています。パスタはもともと硬水地方の料理であることでもわかるように、硬水ベースと考えてよいと思われます。ミネラルがでんぷん質と結合して、パスタのコシを出してくれるからです。
出汁を取る
軟水:昆布やかつお節などはよく旨味がでる。
牛などの肉からはアクが出ずらい
硬水:旨味が出ずらい
肉からはアクが出やすい
出汁を取るのは軟水の方が適しています。しかし、肉からの旨味を出したいときは、工夫が必要かもしれません。スープが濁ってしまう可能性があるからです。
野菜を煮る
軟水:柔らかくなる・味かしみこむ
硬水:型崩れしない・味がしみこみづらい
煮込み野菜などは、軟水が適しています。つまり、煮物などは軟水がうってつけです。
反対に、ジャガイモやカボチャなどは硬水が適しています。カレーやシチューなどの型崩れしてほしくない料理には硬水で作るのがおいしく作れるコツです。そして、アクを通り除きたい野菜は硬水を使うと口当たりがまろやかになります。
肉を煮る
軟水:肉から味が出やすい
硬水:アクや臭みが取れる・柔らかくなる
軟水は肉の旨味が溶けだしやすいので、スープの味がよくなったりします。反対に、硬水は旨味を肉にとどめて、よくアクを出してくれるので、肉の味をよくしてくれます。つまり、ビーフシチューなどはうってつけです。
魚を煮る
軟水:身がふっくらする
硬水:アクの強い魚などには良い
魚は全般的に軟水の方が適しています。ただ、硬水のミネラルはアクを出しやすいので、アクを取りたい魚料理には硬水が適していると言えます。
飲み物
コーヒー
軟水:酸味が引き立つ
硬水:苦味が引き立つ
紅茶
軟水:染み出し易い
硬水:染み出しづらい
コーヒーも紅茶も嗜好品のため、好みがわかれるので、自分に合う方でよいのではと思います。一般的には、軟水の方が適していると言われています。
実際に、紅茶のティーパックでも、日本でいる時は1.2分でできますが、ここドイツで手に入れたティーパックを見ると、7.8分お湯につけるように説明書きがされています。そのくらい、染み出るのに差があるということです。
終わりに・・・
ドイツのベルリンの水について、わかったことは安全で心配ないということでした。実際に娘が水道水を飲んだ時の感想が、「おいしい」でした。
自分も飲んでみたが、そこまで硬いという印象はありませんでした。料理には、工夫が必要かもしれませんが、軟水浄水器を使ったりすることもできますので、問題なしと考えています。
実際にドイツ在住の日本人の方も、飲み水や料理に関しては、自分の味に合わせて使い分けているそうです。
旅行や実際に生活を始める方へ、私と同じように心配している方もいると思いますが、結論的には、全く心配ので、自分の生活に合わせて活用してみてください。
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