先日、日本の友人から、小学校休校にて、40分間/日分の自宅学習の課題が出されていると聞きました。
ドイツでは、4/20 ~ 小学校の一時休校が決まっており、各学校・各教師が自宅学習内容を検討して、自宅学習ができるように体制を整えることになりました。
今回は、ベルリンの小学生への休校中の課題内容と親の視点での体験・感想を書き綴って行きたいと思います。
※学校によって異なるので、あくまでも一例の情報となります。
現地学校からの課題指示
イースター休暇が終わり、小学校の一次閉校は継続されることになりました。
小学校から課題がメールで届くことになりました。
オンライン授業を行う教師や、既存のオンラインサイトを使う教師、そしてプリント課題を出す教師と様々な様子です。
我が家の場合は、毎週月曜日にに一週間分の課題とスケジュールがメールで届き、その内容を確認して、自宅学習を行っていきます。
内容は、教師に一任されている様子で、プリント課題やオンライン課題など、統一はされていない様子です。そして、ZOOMレッスンをする教師もいれば、ZOOMのセキュリティ問題より、使いたくないと声明を出されている教師もいるが、親や子供は出された課題を取り組むしかないので、選択権はなさそうです。
課題スケジュール
驚くことは、普通の学校の時間割と同じような内容で構成されています。
6限 + 宿題 / 日で、月~金の週五日間で構成されています。
内容は、以下の通りです。
時間割:自宅学習スケジュール
月曜日
- 今週の勉強スケジュールの確認
- 体育 :実技課題
- 算数:教科書の問題
- ドイツ語:オンライン課題
- ドイツ語:オンライン課題
- 英語:教科書の問題
- 一般教育課題・ドイツ語課題・英語 / 算数宿題
火曜日
- 宗教:プリント
- 美術:プリント
- 美術:課題作業
- ドイツ語:オンライン課題
- ドイツ語:オンライン課題
- 一般教育:オンライン課題 + プリント課題
- 一般教育課題・ドイツ語課題・英語 / 算数宿題
水曜日
- 英語:ZOOMレッスン
- 一般教育:オンライン課題 + プリント課題
- 一般教育:オンライン課題 + プリント課題
- 算数:教科書の問題
- 算数:課題問題
- ドイツ語:オンライン課題
- 一般教育課題・ドイツ語課題・英語 / 算数宿題
木曜日
- 算数:教科書の問題
- 宗教:プリント
- 英語:ZOOMレッスン
- ドイツ語:オンライン課題
- 音楽:プリント課題
- 一般教育:オンライン課題 + プリント課題
- 一般教育課題・ドイツ語課題・英語 / 算数宿題
金曜日
- 算数:プリント課題
- 音楽:プリント課題
- ドイツ語:オンライン課題
- 社会実習:課題問題
- 体育:実技課題
- 体育:実技課題
- 一般教育課題・ドイツ語課題・英語 / 算数宿題
必須科目:ドイツ語・英語・算数・一般教育
それ以外は、補足課題
課題提出:金曜日 18時まで
なかかなボリュームがあります。これを小学生が自立してこなして行かなくてはいけません。
各科目課題内容
月曜日の朝に送られてくる一斉メールの中に、課題のファイルがそれぞれあります。
それをプリントアウトして、内容を把握して、子供達に説明して渡します。
ドイツ語 / 一般教育課題
・オンライン課題
・プリント課題
我が家は、ドイツに来てすぐに学校閉鎖となってしまったため、ドイツ語がほぼ分からない状態のため、ドイツ語課題はオンライン課題・単語暗記・ラジオ/TV鑑賞となっています。そのほかの学生は、プリント課題とオンライン課題となっています。そして、一般教育課題はオンライン課題なのですが、ドイツ語が読めないとわからないので、免除となり、その分ドイツ語への取り組み重視とされています。
英語
・プリント課題
・教科書課題
・ZOOMレッスン
教科書とプリント課題は、教科書内とプリント内の問題・単語暗記・音読・文章作成・ロールプレイの練習で構成されています。
ZOOMレッスンは、ロールプレイなどのオンライン授業・プリント課題です。
算数
・プリント課題
・教科の問題
・youtube鑑賞(問題の解き方など)
プリント課題が4~7枚あり、結構問題数が多い様子です。そのプリントとは別に教科書問題が3~4ページ / 日 ある様子です。
美術
・作品作成
トピックの芸術家をプリント問題を通して学んでから、その傾向に合わせた作品課題を作成して行きます。色鉛筆・カラーマジック・絵具など指定された道具を使っていきます。
体育
体育は、外で走ったり、ボールを投げたりなどの課題であった。
しかし、現在不急不要の外出制限とアジア人差別の可能性を示唆し、担任に相談したところ、必須ではないので、気にしなくて良いとのことになった。
私達の体験と感じたこと
この内容が指示された後、正直大変だと感じました。
初日は、大量のメールとファイルに埋もれました。この「大変」だということを強調してしまうのが、私達の現環境にもあります。
ドイツ語がわからないから、メールの内容・課題の内容を理解することから始めなくてはいません。翻訳サイトを二つ・辞書サイトの三つを使用して行きます。
内容把握に費やす時間は、2-3日はまるまる掛かってしまうので、結構な量です。
これは、毎週続いています。
そして、プリンターがないことは、結構致命的です。ドイツでは、図書館やプリント屋さんでプリントアウトをする方も多く、私達もプリント屋さんで必要書類を印刷していました。
しかし、このコロナ休業のため、2週間弱ほどプリント印刷する場所がなかったんです。
私のミスですが、日本から持ってきたプリンターは使えなかったので、アマゾンで変圧器を探したがなかなか見つからず、それらしいものを購入して対応することにしたんです。
何とか動いてくれたので、2週目の途中からプリント出来るようになりました。
コロナ休校中の自宅学習を見ている中で、いくつかの問題に直面しました。
・子供の時間管理と課題進行の難しさ
これは、多くの家庭で直面していることかも知れません。子供がスケジュール表を受け取って、自分で課題をこなしていくことができる年齢って何歳くらいからできるようになると思いますか?
安らぐ場と勉強を頑張る場所が混在する自宅で、さらに子供部屋がない環境なら、なおさら難しくなりますし、我が家でもまったくできませんでした。
学校の時間に合わせてアラームをセットしたり、スケジュール表を確認させてもできなかった。
そして、だんだん課題に埋もれていき、週末を使っても課題が終わらなかった。
子供自身で、集中力の維持とタイムマネージメントが非常に困難だったんです。
・親子のストレスコントロールの難しさ
経済的不安と子供の勉強や家事等に追われて一日が終わってしまう方も多いのではないでしょうか?経済的不安は、非常にストレスになり、こればかりはどうしようもない。私達の場合は、現在留学中のため、ドイツや日本でのコロナ対策での経済的援助は受けられません。
そして、子供の勉強を専門家の教師のように上手く子供へ促すこともできず、親としてのストレスコントロールは非常に難しいと感じてしまいます。
・親の感情コントロールの難しさ
異国にいることに加えて、コロナでの生活スタイルの変容・経済的ストレス・子供への勉強サポートや家事など、多大なストレスから、感情コントロールが難しい状況と言わざるをえません。この時期だから、コロナ規制が緩和されてからのことを見据えて、勉強は準備をした方が懸命という意見も多くあげられていますが、そこには自分の感情コントールが非常に重要であることは言うまでもなく、そして非常に難しいことでもあります。
皆さんはどうですか?
私が現在取り組んでいること
・子供の勉強は、子供になるべく任せる。その代り、質問された時は全力でサポートする。
・経済的な問題は、どうしようもないと考える。
・適度に運動をする。
ありきたりの方法ですが、この方法で何とか過ごすようにしています。
でも、考え方を変えたら、仕事をしていた時と同じだということに気が付きます。同僚や後輩が仕事をする時に、指示だけ出してもできないことが多いし、手取り足取り教えてもできるわけでもありません。身についてももらうためには、色々な方法を模索しますし、自分の仕事を行いながら、同僚サポートや後輩指導を行いませんか?
環境は違えど、同じなのだろうと感じています。
子供自身もいろいろと感じ、考えている様子です。
時間管理や課題進行管理は、やはり難しいようです。家には、とても誘惑が多いし、連帯行動のように勉強を一緒に始めることは出来づらい様子です。
親の方で時間を決めたり、タイマーを使ったり、スケジュールを自分で立てさせたりもしましたが、長続きはせず、ほとんどの場合、上手く行きませんでした。
私の力不足かもしれませんが、学校に行って勉強するという一連の行動によるメリハリは、子供にとっては絶大な効果があるのかも知れません。
さらに不運なことに、先日学校の担任からも、この休校状況下で英語もままならず、ドイツ語が皆無の子供へのサポート方法がわからないと言われてしまいました。
子供自身も友達も会えず、遊べない状況で、ストレスも感じているのは間違えありません。
長い目を見て、今子供がこの時期に感じて、考えて行動し、そしてまた感じて、考えて…、この経験は、きっと役立つのではないかと考えるようになりました。
この子が出すサインを見逃さないように、関わって行こうと思っています。
経済面の問題については、現時点ではどうしようもない。違った方法で収入をとも考えますが、ビザの関係でドイツで収入を得ることはできないし、異国にいる事で自国からのコロナサポートは受けられないので、経済的なことは受け入れるしかありません。
誰もが同じことを考えると思いますが、節約にポイントを当てています。
そして、親として今出来ることを考えながら、少しずつ行うことが大切だと感じています。
この時期だからこそ、子供も親もストレスコントロールが難しいことを十二分に受入れ、出来ないことは出来なくてもしょうがないと割り切って、少しでも、数分でも自分たちが考えたことが出来たら良しとするようしました。
時間があるから、数時間勉強や自分の成長になることをしようと考えていても、当然子供は難しいし、親自身もこの状況下では難しいので、この考えはストレスにしかならないということが嫌というほどわかりました。
最後に、運動をすることです。
5分でも10分でも良いので、身体を動かすことを毎日続けることです。
ダイエットや筋肉を付ける目的ではないので、そのくらいで十分です。運動と精神疾患とは非常に密接な関係があると言われているので、運動をすることは心理面においてメリットが多くあります。
実際、少しイライラしたりした時に、数分の運動をした後は、落ち着いていたりするし、またリフレッシュできることの方が多いです。
可能なら、子供と一緒に運動することをおすすめします。
外出出来なくても、部屋で出来る運動もあるし、youtubeでも室内でできるエクササイズも多くあります。
実際、私も子供と一緒に運動する事が多いのですが、運動していない時が多い週と比較すると、その差は歴然でした。
最後に
ドイツでは、学校で行う内容を自宅で行っているような感じです。
家での学習は、非常に大変です。学校からの課題も、親が管理してあげないといけない部分もありますが、この時期での「勉強する、させる」というのが、子供にとってタスク処理になるか、勉強をして身に付けていける行動になるか、非常にサポートが難しい環境です。
ですが、この時期だからこそ「わかったこと」も多くあります。
そして、この時期だからこそ「身に付けたいこと」があります。
これからも、「Trial and Error:試行錯誤」を少しずつでも繰り返して、親としての階段を上がって行きたいと思います。
子供の勉強、心配なことも多くあると思いますが、親がストレスを抱えすぎてしまっては伝えたいことも伝わりません。
まずは、深呼吸と、少し長い目で子供を見守っていくようしてみませんか?
きっとちょっとした変化が少しずつ現れてくると思いますよ。
コメント