勉強をするのに、時間はあるけど、なかなか覚えられない・理解できないと感じることはありませんか?
勉強時間が必要と分かっているけど、勉強時間と勉強成績は一概には比例しないことは、誰もが経験上分かっていることです。
勉強をする上で何が大切なのか・・・?
それは、戦略的休憩を取ることなのです。
今回は、勉強と休憩の関係について書き綴って行きたいと思います。
私は体験上、これは必須ではないかと感じています。
勉強と集中力の関係
・集中力は90分毎のサイクルで変化する
脳の活動は、体力と同じに、いつまでも活動し続けることはできません。
集中力に至っては、15分毎に徐々に低下していきます。
一般的には、15-30位で、集中力が低下すると言われています。
スラエル工科大学のLavie教授は、日中における集中と非集中サイクルは90分間サイクルで切り替わっていると説明しています。
つまり、90分後には、脳は休息してしまうということです。
では、どうすればいいのでしょうか・・・?
休憩の必要性
脳の活動が徐々に低下するのは、体力と同じように、疲労が蓄積するからです。
つまり、休憩を取ることによって、脳の機能は回復させることができます。
東京大学の池田教授の研究によると、定期的な休憩は集中力の回復にとどまらず、長期的な記憶固定にも効果が発揮すると説明されています。
つまり、勉強のために休憩をとることが大切なのです。
では、どのくらいの休憩が望ましいのか・・・?
休憩の取り方
・年齢、学年に合わせた休憩
15分毎に徐々に集中力が低下するという脳の活動傾向をもとに、休憩の取り方を考えてみてもよいでしょう。
45分勉強+15分休憩
この組み合わせだと、丁度一時間になるため、とてもスケジュールが組みやすいです。
さらに、小学生の一限分がちょうど45分間となります。そのため、小学生のお子さんをお持ちの方にも、子供と一緒に取り組めやすいのではないでしょうか。
・ポモドーロ テクニック
25分勉強+5分休憩(1ポモドーロ)
120分毎に30分の休憩(4ポモドーロ毎)
イタリアの起業家のフランチェスコ・シリロ氏が考案したタイムマネージメント方法です。
シリロ氏が学生時代に使っていた、トマト(イタリア語:ポモドーロ)型のキッチンタイマーに由来していると言われています。
15分ごとに徐々に集中力が低下するという観点からも、二度目に下がる前に休憩を取るということになるので、とても理にかなっています。
②25分勉強+5分休憩(2ポモドーロ)
③25分勉強+5分休憩(3ポモドーロ)
④25分勉強+5分休憩(4ポモドーロ)
⑤30分間休憩・・・
またこの方法は応用もできます。
例えば、「50分勉強+10分休憩」や、「90分勉強+15分休憩」などに変えても効果があります。
高校や大学講義、試験のタイムスケジュールに合わせて、調整すれば本番の集中力持続に大いに役立つからです。
実際に、ネットで検索するだけでも、このポモドーロ テクニックで勉強の成果が上がったという情報は非常に多く見つけられます。
休憩時間のリスク
・休憩のための勉強へ変わってしまう
休憩の目的は、「勉強のために休憩を取る」ことです。
脳の活動能力を考えた上で、勉強の質をあげるためには、適宜休憩を取ることで、脳の機能を回復できるからです。
しかし、勉強はなかなかストレスになってしまうことがあります。
そのため、休憩時間などにご褒美を付けて頑張ろうとする方法もあるかもしれません。
これをやれば休憩だ!!って感じです。
でも、これは本来の目的ではありません。
そのため、勉強がただの作業になってしまい、逆に勉強の質が下がってしまう可能性が高くなってしまうのです。
・勉強開始ができない
休憩時間にやってはいけないこともあります。
例えば…
・ネットサーフィング
・SNSやゲーム
・漫画や小説などの読書
・TV など
タイマーを測って、しっかりメリハリを付けられる人は大丈夫かもしれませんが、たいていの人は、やめた方がよいでしょう。
理由は簡単…、勉強に戻って来れなくなるからです。
もし時間的に切り上げられたとしても、なかなか勉強モードに戻りづらく、集中力が上がらないことの方が多いはずです。
ミシガン州立大学の研究では、集中力というのは非常にデリケートで、2.8秒の邪魔が入るだけで途切れてしまい、また作業効率が半分以下になってしまうということが分かっています。
つまり、ネットやゲームなど、休憩時間の余韻が残って、思い出してしまったり気がそれてしまうと、あっという間に集中力が切れてしまい、勉強効率ががた落ちしてしまうということです。
これだけ勉強をするための集中力はデリケートということを考えると、メリハリが付けられると断言する人でも、別の方法で休憩時間を過ごした方が良さそうですね。
休憩時間におすすめな方法
・仮眠
眠気は、脳の疲労している時なので、ここは積極的に仮眠をとって、脳機能の回復に努めることもおすすめです。さらに、感情リセット効果もあるので、その後の勉強モードへの移行も行いやすいです。
NASAの積極的仮眠についての睡眠研究では、仮眠を取る人は、認知力34%・注意力54%も向上したという報告がされています。
しかし、仮眠を取りすぎると逆に仮眠ではなくて、睡眠になってしまうため、逆に勉強効率が下がってしまったり、夜の睡眠に影響を及ぼしてしまう可能性があります。
そのため、20分以内の仮眠に抑える事とが大切です。
・軽度な運動
運動と勉強は、とても密接な関係があります。
運動によって、血液循環が良くなり、脳へ栄養と酸素をより多く送り届けることができます。そのため、勉強で披露した脳の回復に役立つということです。
また、長時間の同一姿勢で凝り固まった筋肉を和らげる効果もあり、リラックス効果が期待でき、さらに勉強に集中できるようになります。
さらに、感情ストレスの発散もできるため、勉強をする上で非常に重要な感情コントロールがしやすくなるのです。
つまり、軽度の運動は、脳機能の回復だけではなく、身体・精神的回復もするため、勉強モードに戻りやすいく、また持続しやすいという効果が期待できるのです。
私の場合
調子良い時や、凄く集中力が非常に高まっている時は、平気で3.4時間継続して勉強や仕事を行っている時があります。
しかし、一度集中力が途切れてしまうと、集中力が戻ってきても、その割合は弱い印象を受けていました。さらに、非常に集中力にムラがあり、アップダウンを感じることも多々ありました。
結果として、勉強や仕事の進み具合が良いかは何とも言えない状態かと感じています。
しかし、適宜休憩を取るようになってからは、集中力の波は少なくなり、合計勉強時間は長くなってくれました。
また、暗記ものについても、休憩を取ったほうが覚えやすい印象を受けています。
やはり、実感はあまりないけど、脳が疲労している時は、なかなか暗記できないようです。
休憩に関しては、ポモドーロテクニックは、非常にわかりやすいと感じました。性格上、厳密には行っていませんが、大体1時間前後で、10分の休憩を取るようにしています。
勉強時間にタイマーを掛けて、その時間まで頑張ろうとして取り組んでいましたが、逆にそれだと勉強が苦痛になったりするので、それはやめました。
つまり、勉強時間に関しては、取り組んでいる内容や集中力の度合で、30分や1時間、2時間などの大体の時間で時計をみるようにして、逆にタイマーは休憩時間を掛けるようにしています。
こうすることによって、脳や身体、精神的な疲労に合わせることによって集中力を調整できることができたからです。
しかし、休憩時間にタイマーがないと、やはり休憩から戻ってきづらくなったり、何かしらの理由を付けて、勉強開始の時間を送らせてしまう傾向があったので、個人的は積極的休憩は、むしろ休憩時間の管理の方が大切ではないかと思っています。
勉強モードに入りやすい人は、反対に勉強時間が長くなりすぎないように、勉強時間の方にタイマーを掛けた方が、戦略的休憩をとれると思いますけどね。
最後に
勉強に時間が必要です。しかし、時間があっても効率よく勉強をするためには、戦略的に休憩をとることが大切です。
きりが良いところまでやって休憩を取るより、勉強時間を管理して、キリが悪くても休憩を取ったほうが記憶定着に効果的だという報告もあるくらい、勉強には適宜休憩が必要だと言われています。
集中力というのは、自分が集中しているようで、実際は脳疲労を起こしていて、効率の悪い勉強をしている場合があるので、自分の実感だけにとらわれないように、タイマーなどを使ったタイムマネージメントを行うと、今以上に勉強の効率があがるかもしれません。
「勉強のための戦略的休憩」、是非取り入れてみてはいかがでしょうか。
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