「パパ、今日もお話して♪」
寝る前の読み聞かせには、いろいろな研究が行われています。そして、それらはとても良い結果が出されていることを皆さんは知っていますか?
年齢に関係なく効果があると言われている「寝る前の読み聞かせ」について、今回は書き綴りたいと思います。
読み聞かせの効果
読書は、子どもが、言葉を学び、感性を磨き、想像力を豊かにし、人生をより深く生きていく上で欠くことのできないものである。文部科学省
文部科学省では、として、2001年に4月23日を「子ども読書の日」と定めています。
そして、読書推進運動協議会では、4月23日~5月12日を「こどもの読書週間」と定めて、読書に関するイベントなどが数多く行われています。
読み聞かせの科学的根拠
・大脳辺縁系が活発
感情をつかさどる大脳辺縁系を刺激します。つまり、感情を刺激し、心豊かにさせる効果があります。また、東京医科歯科大学の泰羅教授によると、大脳辺縁系を刺激することにより、たくましく生きていくという役割に繋がるとのことです。
つまり、読み聞かせにより、感情が刺激され、楽しい事は繰り返したくなり、怖いことや悲しいことは繰り返したくないという理解を促す事ができるというわけです。
・コミュニケーション力を向上
読み聞かせにより、その本の内容を疑似体験することによって、コミュニケーション能力を育てるのに役立つ作用があります。
昨今、ゲームの発達によって、子供が実際にコミュニケーションを取る機会が少なくなり、コミュニケーション能力の欠如が問題視されています。
しかし読み聞かせにより、本を読んでいる最中の質問や感想、終わった後の感想を親と話すことによって、実際のコミュニケーションをする機会が増えるので、子供のコミュニケーション能力を育てることに役立つと言われているのです。
・語彙力の向上
読み聞かせによって、新しい語彙に触れられる機会が増えます。そのため、いつの間にか、子供の言葉が増えていることに驚くことは多いのではないでしょうか。
そして、読み聞かせでは学力とも密接な関係があることが解っています。
2013年 文部科学省の学力・学習状況調査では、幼少期に読み聞かせをしてもらった経験が学力向上に繋がるということが判明されています。
また、ある研究では、中学生に教師が読み聞かせをした際に、教師への信頼関係が良くなるとの結果がでたそうです。つまり、信頼した教師から授業を受けるのと、信頼できない教師からの授業、どちらが学力向上に繋がるかは、誰もがわかる簡単なことだと思います。
・落ち着きがないなどの問題行動軽減
読み聞かせは、集中力や洞察力等を養うことができるとも言われています。
東北大学の川島教授の読み聞かせの研究によると、8週間の読み聞かせによって子供の不安や抑うつなどの問題が減らすことができたそうです。
・親子との関係向上
親子のコミュニケーションによって…
→愛情ホルモン活発 IQ ストレス耐性
→情緒の発達に効果
→想像力 豊
→語彙力 伸ばす
→リラックス 入眠儀式 定着しやすい
読み聞かせの時に、隣に座ったり、もちろん膝の上に座らせたりなど、少し触れ合える距離で読み聞かせを行うのが良いです。
読み聞かせと少しのスキンシップにより、「オキシトシン」というホルモンが分泌されやすくなるからです。「オキシトシン」は愛情ホルモンや幸せホルモンと言われています。
愛情ホルモンは、リラックスした時に分泌されるので、入眠を促すことや心の安定にも繋がります。
また、子供のIQやストレス耐性を向上させる効果もあるのです。
読み聞かせの注意点と工夫
・寝る前のスマートフォンなどはつけない。
電子機器からのブルーライトは、体内時計を狂わせてしまうと言われています。ブルーライトによって脳へ眠気を引き起こす働きのある「メラトニン」の分泌を抑制してしまうためです。
しかし、2020年にイギリスのマンチェスター大学がマウスの研究で同じ明るさの暖色とブルーライトでの睡眠の影響についての研究では、ブルーライトは睡眠に悪影響を与えないという結果が判明しました。しかし、まだまだ研究が必要であるとも説明しています。
寝る前のスマホは大丈夫という結果ではありません。これは、体内時計は夜になるにつれて光が暗く、青くなるタイミングで眠るということに関連しているので、寝る前のスマホなどの強い光は、やはり入眠妨害をしてしまうことに繋がるといえるのです。
・怖い・悲しいなどのネガティブな内容は避ける。
確かに、親子の信頼関係が向上し、読み聞かせの効果があがる状況の中で、子供は読書内容に没頭してしまいます。
そのため、ハッピーエンドやほのぼのとした結末になるものが良いですが、逆に怖すぎる内容や結末が悲しい内容になってしまう本は、逆に入眠を妨げてしまうかもしれません。
読み聞かせは、感情と密接な関係がある大脳辺縁系を刺激するため、ネガティブ感情を残しつつ入眠をしなくてはいけない状況を作ってしまうのです。
そして、眠る時は副交感神経が強くなる必要がありますが、ネガティブ感情は交感神経を刺激してしまうので、入眠を妨げてしまうということになるのです。
・ゆっくり 優しい声で読んであげる
入眠前なので、「ゆっくりと優しい声」で読んであげてください。
早い語りは、強い刺激と脳へストレスを与えてしまうので、興奮させてしまうことや「オキシトシン:愛情ホルモン」の分泌効果を下げてしまいます。また、入眠抑制を起こしかねないからです。
感情をこめて読むことが出来れば良いかもしれませんが、読みなれていないとなかなか難しいことが多いかもしれません。
自分の子供のことを考えつつ、ただただゆっくり読み聞かせてあげようと意識するだけで、自然とゆっくりと優しい声になってくるので、少しだけ意識してあげてください。
・子供の疑問や質問を流さない。
寝る直前は、記憶のゴールデンタイムと言われています。
精神科医の樺沢医師によると、寝る前の15分は学習効率が非常に高いと言われています。
寝る前の読み聞かせは、子供が非常に熱心に話を聞いて、想像し、物語を疑似体験しているので、自分で疑問があれば質問をしてきます。
この疑問に丁寧に答えてあげることによって、睡眠により記憶に定着しやすく、また内容によっては判断力を身につけさせたりすることができるのです。
私の「読み聞かせ」の場合
なかなか、仕事上、毎日というのは出来ませんでしたが、幼少期から寝る前の読み聞かせを行っています。もちろん、出来ない時期もありましたが…。
しかし、私自身も自分の親が読み聞かせをしていてくれたと母親から聞いています。
うっすらとしか覚えていませんが、本屋さんに行くと自分で読んだ記憶はありませんが、内容を知っている本が結構あります。そして、なんかそのことに触れると心地よい感じが今でもあります。
さて、子供に対しての読み聞かせですが、寝る前に行うようにしています。
本を読む時もあれば、恥ずかしながら自作の話をしたり…。また、電気を消して、携帯電話のライトを天井に当てて、影絵を作って話したり…。
親が電気を付けてテレビを見ている中で、「寝なさい」という言葉はなんとも理不尽な命令であるといつも思ってしまいます。「子供なんだから!大人はいいの!」って、そんな説明を受けては、子供は勘違いしてしまいまし、良い信頼関係も築けません。
私は、子供が寝るときはいつも一緒にベットに入るように心がけています。
そして、お話をする時間も作ります。
おかげで、父子の関係は悪くないと感じています。
そして、子供ながら非常に理論的に反論してくることや質問をしてくることもあることで、とても驚かされてしまいます。
決して、ベットタイムだけの効果とは言えませんが、この時間を大切にすることで身に付けさせてあげられる事や、良質な睡眠による効果は計り知れないといつも思っています。また、自分にとっても心地よい時間なので、非常にリラックスさせてもらっています…そのまま寝てしまうことがほとんどです。
一緒にベットに行こうと子どもに声をかければ、素直について来てくれるし、「パパ、今日もお話して。」といつも声を掛けられるので、とても楽しみにしていてくれています。
一般的に父親は、毎日仕事で疲れているし、また自宅に仕事を持って帰ってくる時もあります。さらにキャリアアップの勉強もしているかもしれません。子供と時間をなかなか取りづらいと思います。
でも、でも、寝る前の15分ほどでいいんです。
もし、絵本が手元になかったり、話す内容に困ったら、「絵本ナビ 子どもに絵本を選ぶなら」というサイトで無料の試し読みを使ってみるのもいいかもしれません。子供は想像するのが好きなので、特にスマホの画面見せながら行わなくても、静かに聞いてくれます。
15分間のベットタイムを一緒に過ごす事ができたら、少しずつですが、親子そろって何かの変化に気が付くと思います。ある研究では、寝る前の読み聞かせには、親自身にも精神的な安定やストレスの軽減できるという結果も出ているんですよ。
時々、お父さんがお母さんに変わって、ベットタイムに子供と一緒に過ごしてみてはいかがでしょうか?
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