その肩こりや頭痛…、本当に疲れからですか? 隠れたキラー疾患、頸椎椎間板ヘルニアの基礎知識

頸椎ヘルニア 基礎健康

首や肩こりで悩まされ、時には頭と首の付け根などの痛みに悩まされている方は、もしかしたら筋肉の問題だけではないかもしれないですよ・・・、頸椎ヘルニア。
診断名を知っていた私でさえも、この診断名を受けるのに一年以上も有してしまった厄介な病気について、まとめてみました。

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頸椎椎間板ヘルニアって?

腰椎椎間板ヘルニアってよく聞かれると思いますが、それの頸椎…首バージョンです。つまり、脊椎の間にある椎間板がないかしらの影響で壊れて、脊髄や神経根を急激に圧迫してしまう状態です。

頸椎って??

頸椎は、頸部つまり首であり、全部で7つの骨と椎間板と靭帯で構成されいます。その中に血管(動静脈)・脊髄(神経)が通っているのです。頸椎の7つの骨は、C1~C7と表現されます。
イメージ的には、脊椎の空間に血管と脊髄が保護されるように存在し、7つの頸椎のそれぞれの間にクッション役割を果たす椎間板があるという感じです。

頸椎ってどんな役割を果たしているの?

脳から大切な臓器や手足へ神経伝達を送っている入り口部分であり、非常に大切な部分(頚髄)を保護している部分です。さらに大事な神経保護に加え、脳が守られている頭部を支えているのですが、その頭部の重さは、なんと体重の約10%程と言われています。

つまり、私たちの生活において、また生きていく上で最重要部分といっても過言ではない場所であることがわかります。

頸部は非常に可動域が大きいです。それは、非常に重い頭部や神経を衝撃から守っているからです。そしてその可動域は私達の生活の質にも大きく恩恵を与えてくれています。しかし、それだけ可動域が必要ということは、頸部への衝撃の力と頻度は軽視できないということなのです。

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頸椎椎間板ヘルニアの原因って?

椎間板は、若い人では約9割が水分と言われています。20歳を過ぎた頃より、徐々にその水分が失われ、弾力性が低下し、クッションの役割を果たさなくなってきてしまいます。これ自体は加齢・老化現象であるため、誰でも生じます。

しかし、長時間の姿勢不良や激しい衝撃により、椎間板の変形が激しく、神経や脊髄を圧迫するとヘルニア症状が出てしまうのです。

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頸椎椎間板ヘルニアはどんな症状?

頸部症状:肩こり・頸部痛・背部痛など
上肢症状:手から腕にかけて走るようなしびれ・疼痛・脱力など
頭部症状:後頭部痛・頭痛・目の痛みなど
その他:歩行障害・排尿障害など
神経の入り口のため、特徴的な症状に加えて、全身的な症状まで多岐にわたります。
首や肩、頭痛が筋肉のコリからでなく、ヘルニア症状であったなんて話もよくある事なのです。
神経症状のため、全身的な症状と多岐にわたりますが、基本的には上半身の症状が現れやすいです。

治療とは?

大きく分けて、手術などの外科的治療と鎮痛薬やリハビリなどの保存的治療に分かれます。

外科的治療について

手術は、神経症状を起こしている部分を直接的に取り除くので、症状がなくなる可能性があります。しかし、皆さんもご存知でしょうが、成功率が100%の手術は存在しません。術式にもよりますが、合併症や副作用が必ず存在します。

参考までにこのような合併症が考えられます。

・食道や頸動脈など損傷
・四肢麻痺
・骨折
・感染症(髄膜炎・創部感染・肺炎など)
・症状の悪化  ・・・など

始めの方で話したように、頸部(頸椎)には、大事な血管や神経があるからです。
そのため、医師も慎重に手術が必要か考えますが、当然私達も勧められるがままで首を縦に振ってしまってはいけないと思います。

保存的治療について

幸いに、保存療法で症状が和らぐ場合が多いと言われています。そのため、医師はまず余程のことがなければ、保存的療法から始めて、症状の悪化や程度に合わせて手術適応を慎重に選択しています。

保存的療法のメインは、頸椎カラーによる頸椎への負担軽減と安静、そして鎮痛薬による症状緩和です。
それ以外には、リハビリで頸椎牽引や神経ブロック(注射)なども行われています。

医師以外にも、整体師や柔道整復師、薬剤師にはり師など、さまざまな専門家がいろいろな方法で頸椎ヘルニアの症状緩和に取り組んでいます。

そして、自分自身も日常生活で取り組んでいかなければいけないこともあります。頸椎ヘルニアは、脊髄圧迫による神経症状ですが、頸部や肩の筋肉疲労や凝りなどが症状を複雑に悪化させていることも多いのです。

そのため、猫背などの姿勢が悪かったり、長時間の姿勢維持などを避けるなどの改善には取り組んでいく必要があります。また、忘れがちですが、寝る時の姿勢も大切です。つまり、寝具や特にまくら選びも大切だということです。まくらを変えただけで、症状が緩和したという人もいます。

最後に…

頸椎ヘルニアは、40-60歳の男性に多いと言われていますが、決してまれな病気ではありません。そして、正しい診察を受けないと見つけてもらえない場合もあるとても厄介な病気です。

私はこの診断名を受けるのに、一年以上もかかってしまいました。私の判断ミスも含めて体験談とアドバイスは、別のところに綴らせていただきましたので、ぜひ読んでみてください。これは、私だけが陥ることではないので、もし首や肩、頭の痛み、よく物を落としてしまうなど気になることが継続している方は必読です。
同じ症状で悩まされている方が少しでも症状が緩和することを祈っています。

→医療者である私が経験した”頸椎ヘルニア”の体験談とそして、アドバイスとは?
(後日アップさせて頂きます)

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