就寝中に何度か目が覚めて、その後なかなか寝つきが悪くなることってありませんか?
その影響が、翌日の仕事や勉強に影響をしたりすることに自覚していたり、最近いろいろなことに上手くいかないなぁって感じることはありませんか?
それらは、中途覚醒による睡眠不足が影響をしているかもしれません。
私も、夜間に目が覚めて、なかなか寝付けず、気分転換にスマホを開いて、その後寝るなんて生活をしていたら、翌朝に疲労感が残っていたり、その日のパフォーマンスが無自覚的に下がっていることが多々ありました。
今回は、睡眠の質に大きく関わる「中途覚醒」について、書き綴って行きたいと思います。
中途覚醒の定義
一日だけではなくて、頻繁に夜間2回以上目が覚める場合のことを指します。
もう少し細かく・・・
・眠りが浅くて夜間に目が覚める
1.2回 再入眠安易 日中活動支障なし
・中途覚醒
回数が多く、再入眠困難 日中に強い眠気あり
つまり、安易に再入眠される場合はそれほど気にしないでいいかもしれませんが、問題は再入眠困難ということです。
再入眠困難だと、翌日の日常生活に影響を及ぼすからです。
日本大学 精神神経科の 内山教授によると、年齢的にも中途覚醒が起こっている可能性が変わるそうです。
20~39歳 10.7%
40~59歳 12.7%
60歳以上 21.2%
日中に起こりやすい症状
・身体のだるさ
・作業効率の低下
・集中力・記憶力・注意力の低下
・精神不安定
・頭痛や消化器症状 など
中途覚醒に伴う睡眠不足は、様々な症状を自覚します。そして、無自覚な状態でも、結果として作業効率の低下や集中力・記憶力・注意力などの脳機能の低下も生じてしまうのですから、自覚している部分と無自覚な部分の乖離が起きていることがあるので、怖いところです。
中途覚醒の原因
・ストレス
・睡眠環境
・喫煙・飲酒・カフェイン
・病気
・夜間頻尿
・ストレス
自律神経には、交感神経と副交感神経があります。イメージ的には、交感神経は興奮時、副交感神経は休息時に優位になります。
つまり、睡眠時に交感神経が優位になっていると、睡眠が浅くなるので、眠るためには、副交感神経が優位になることが必要ということです。
日中のストレスを寝る前まで引きづってしまったりしていると、なかなか副交感神経が優位になりづらいのです。
・睡眠環境
これは、とても分かり易いことですが、音や光、温度や湿度などのことです。
うるさい環境では、なかなか精神的にも落ち着かず、寝れないですよね。
特に、ここで注意したいのが、光です。
寝る前に、ベットや布団の中で、スマホ、パソコンやTVを楽しんでいませんでしょうか?
液晶画面の人工的な光は、非常に刺激が強く、ブルーライトによって、睡眠と非常に関係が深いメラトニンの分泌を妨げてしまいます。
・喫煙・飲酒・カフェイン
ニコチン
覚醒作用が強いアドレナリンの分泌を促すため、強い興奮・覚醒作用があります。そのため、寝る前の喫煙は入眠困難や、浅い眠りになってしまいます。
アルコール
摂取2-3時間後にアルコールがアセトアルデヒドに変わってしまう。アセトアルデヒドという物質は交感神経を刺激するため、睡眠中に興奮状態となり睡眠へ影響を与えてしまう。
カフェイン
これは広く知られていますが、カフェインには覚醒作用があります。摂取30~60分後に血中濃度が最高となり、半減期は2.5~4.5時間とも言われているので、入眠後に浅い眠りになってしまうことが分かっています。
・病気
睡眠時無呼吸症候群や周期性四肢運動障害 などの病気による場合も考えられます。また、夜間頻尿も中途覚醒と関係しています。
・夜間頻尿
日本大学 泌尿器科の高橋教授によると、50代の約6割が夜間一回以上 排尿で覚醒していると言われています。
夜間のみの頻尿は、生活改善で緩和することが多いといわれています。
例えば…
・周期的な運動
・夕食・飲酒 寝る3時間前まで
中途覚醒の対策
・午前中に日光を浴びる
・ベットにいる時間の短くする
・寝る前の3時間前は禁煙・喫煙・カフェイン摂取しない
・寝室の環境調整
・適度な運動
・医療機関受診
・午前中に日光を浴びる
・直接的な睡眠作用
・深部体温を下げる
上級睡眠健康指導士の加賀さんによると一般的に、日光の光を浴びてから14-16時間後に、体内でメラトニンの分泌量が増えます。
アメリカ ノースウェスタン大学とイリノイ大学の共同研究より、午前中に日光を浴びない生活を送ると睡眠の質が下がるというデータがあるのです。
起床時は、布団の中でもぞもぞしていないで、窓のカーテンを開けて、日光の光を浴びるのがよいですね。もし起床時が難しければ、通勤時や仕事の外出時など、午前中に日光の光をしっかり浴びることによって、夜にメラトニン分泌を促せるので、少し意識してみることをおすすめします。
・ベットにいる時間を短くする
加齢に伴い、寝床にいる時間が増える傾向があります。
厚生労働省の資料によると、加齢に伴い睡眠脳波上で、深いノンレム睡眠が減少し、浅いノンレム睡眠が増加するという結果が出ています。
つまり、加齢に伴い必要な睡眠時間が減ってくるということです。そのため、必要以上に寝室やベッド上での滞在が長いと中途覚醒を促してしまう。
中途覚醒をする方で、ベットにいる時間を30分短くすると中途覚醒が緩和する人が多いと言われているのは、これが原因だからなのです。
25~44歳 7時間
45~64歳 6.5時間
65歳以上 6時間
・就寝3時間前には、喫煙・寝酒しない・カフェイン取らない。
ニコチン・アルコール・カフェインには覚醒作用があるのは、先ほどの原因の所でも述べさせてもらいましたが、覚醒作用があるということは交感神経を刺激してしまうことなので、入眠困難や中途覚醒、そして睡眠自体が浅いため、睡眠の質全体的に悪い影響を与えてしまうのです。
夕食時や就職後、そして入浴後などのタバコ・飲酒、そしてコーヒーなどのカフェイン飲料の摂取は控えた方がよいと言えます。
・睡眠環境と寝具の調整
寝具にも少し目を向けると、夜間睡眠時の質をあげることができます。
これは、一概にはいえないので、ポイントは自分にあったのもが良いと思います。
特に、首~後頭部に掛けてと、肩回りがフィットする枕を選ぶと、とてもよく寝れます。
また、寝室環境としては、明かりは暗めで、温度は25度(夏)・18度(冬)程度で、そして湿度は50-60%ほどが良いとされています。
夏(冷房):25~28度
冬(暖房):18~22度
最後に、寝室でのスマホやノートブックなどの閲覧は、控えたほうがよいでしょう。不眠症に悩まされる方への医師は、「寝る2時間前のスマホやTV鑑賞はやめましょう」と指導しているケースが非常に多いです。
・医療機関の受診
ー精神科
ー心療内科
ー神経科
ー内科
隠れた疾患が中途覚醒に影響を及ぼしている場合があります。
・睡眠時時無呼吸症候群 周期性四肢運動障害
・前立腺肥大症 膀胱過剰活動など
そのため、生活改善でも中途覚醒が緩和されなかったり、心配なことがあるようでしたら、衣装機関に相談すると治療とともに、いろいろとアドバイスがもらえます。
中途覚醒の検査方法…
PSG:睡眠ポリソムノグラフ
眼球運動・脳波・筋電図を測定し、睡眠の質を量る。
アクチグラフ
腕時計型の加速度センサーを装着し、生活ズムと睡眠/覚醒時間を測定する。
医師の問診後に、必要に応じて上記のような検査がおこなわれる場合があります。
中途覚醒に悩まされている方は、躊躇なく気軽に医療機関への受診をおすすめします。
私の場合
40代になってから、中途覚醒をする頻度が上がったように感じます。
それまでは、看護師としての不規則勤務という生活環境で、睡眠の質は不安定であることは否めませんので、常に睡眠時間の確保やどのようなパターンだと寝れるのかと常に模索してきました。
同僚に聞いても、やはり個人差があるので、対策や睡眠パターンは非常に様々でした。
私の場合の原因として考えられるのは…
①ストレス
②スマホ
③持病
仕事上のストレスですね。やはり、人命を預かっていることで、寝る前に日中の出来事が思い出されたり、翌日の仕事の役割や勉強会の発表の事が頭によぎることも珍しくないんです。
そこに、家族間のトラブルも含まれると、寝る前に落ち着いて横になれることは少ない時があります。
次に、スマホです。やはりどこでも使えて、いつでも手が伸びてしまうので、寝る前に見ないのは難しいですね。また、目覚まし変わりにもしようているので、常に手が届く所にあるんですよね。
一番の問題は、中途覚醒して寝れない時に、スマホを開いてしまうことです。これがやっかいで、ほぼ確実といっていいほど、寝起きが良くなく、疲れが取れなく、日中眠くなるんです。
そして、やめられない。スマホ中毒なのでしょうね…。
そして、3つ目は、持病です。これは、頸椎ヘルニアです。首の痛みで目が覚めることがあるんです。このパターンで目が覚める時は、本当につらい。痛みで寝れないんですよね。そして、激痛という時は少ないのですが、中等度の痛みが常に続いて、気になって全然寝れないのです。
①子供と寝る(ストレス緩和/スマホ防止)
②スマホを触らない(中途覚醒時のスマホ防止)
③ストレッチをする(頸椎ヘルニアのケア)
子供と同じ時間に寝ることで、遅くまで起きるようなことはなくなります。そして、子供の寝顔は、とても癒されます。寝る前に一緒にお話をしたりすると、そちらに意識がいくので、仕事のフラッシュバックは結構起こりずらい傾向があります。
そして、スマホなどのブルーライトを子供に寝る前に与えたくないと思えるので、間接的に自制力がかなり上がります。
ベットでのスマホ使用は、「パパは良くて、子供はダメ」なんて理屈は通りませんからね。
また、中途覚醒時のスマホ使用は…、これは強く意識するしかありません。そして、実感として翌日のパフォーマンスが著しく低下するのは実感しているので、日中気合を入れようとしても改善しないことが分かっているので、意識することで、スマホに手が伸びづらくなってくれています。
最後に、首ですが、これは整形外科や接骨院へ定期的に受診して、適宜アドバイスをもらいながら対応しています。
特に、ストレッチ&マッサージです。
帰宅してから、疲労や炎症を緩和するために、アイスパックで冷やします。その後に、シャワーや入浴を行って、循環を良くて、疲労物質の除去並びに疲労回復を促します。
そして、入浴後もしくは、寝る前にゆっくり首を含めた全身のストレッチを行っています。
これを行うようになってから、100%とまでは行きませんが、首がつらくて目が覚めることは少なくなりました。
なぜ、首だけではなくて全身のストレッチが大切なのかというと、首に向かって走っている筋肉は全身へも連動しているので、局所的なストレッチやマッサージだけでは効果が足りないからなのです。
最後に…
睡眠を制する者は、人生を制すと言っても過言ではないので、中途覚醒で無自覚で仕事や勉強の効率を下げるのはもったいないと思いませんか?
これが良いという方法は、個人差があるので、なかなか難しい所がありますが、まずは自分の習慣を見つめ直すことから始めると、中途覚醒に影響している事に気が付くことが多いはずです。
それらを一つずつ対応していくと、中途覚醒の頻度や睡眠の質が向上して、翌日のパフォーマンスに少しずつ影響を及ぼして来てくれます。
夜間の喫煙や飲酒、寝る前のスマホ、そして自分に合った睡眠傾向にすこし目を向けてみませんか?
コメント